【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
この子が何にも縛られず、自由に生きられる世界を維持していかなければ……やはり聖女の件は見過ごせないな。ヴィルヘルムには何としても聖女と婚約してもらわなくては。
そうは言っても私には味方と言える人間はほとんどないので、伯爵令嬢のブランカを唆し、周りの令嬢を味方につけ、オリビアを徐々に孤立させていった。やがて噂はヴィルヘルムにも浸透し、ますますオリビアは孤立していく。
私とのお茶会ですぐに体調を崩すような軟弱者に王太子妃が務まるわけがない。
しかしなぜかある時を境にヴィルヘルムはオリビアを追いかけるようになる…………なぜだ?
あれほど嫌悪していたにも関わらず、領地まで追いかけて、二人で教会の人身売買まで暴いたというのだ。
私には出来なかった事を次々と解決していく2人を見ると、聖女が入り込む隙がなくなっていくようで、私の中に大きな焦りが生まれてくる。
ヴィルヘルム…………どこまでもお前は私を地獄に落とそうとしていく。もはや関係が修復不可能なところまできてしまったのだな。
それと共に、私から完全に独り立ちしていこうとする息子の姿を見守るべきなのか……