【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
そんな事を鬱々と考えながら、王宮内を歩いていた時の事――――
陛下の執務室から珍しく声を荒げているクラレンス公爵の声が聞こえてきた。私は物音を立てず、そっと扉に耳を欹てる。
「…………ようやくオリビアから検出された毒の成分が分かったのに……まさかこのような危険なものが出回っているとは!」
「うむ…………この植物は我が国では生育出来ぬ。これは他国から…………いや、簡単には…………」
扉の中の声なので、よく聞き取れぬな。しかしオリビアから検出された毒?どういう事だ……?
しかも危険なものが出回っているというのは…………この話は知らぬ存ぜぬではいかんな。私も把握しておかねばならない話だと判断した私は、陛下の執務室とは言え、ノックもなしに入った。
――――ガチャッ――――