【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 
 「大の男が二人で声を荒げ、何を話しているのかと思えば…………クラレンス公爵もいたのか。そなたが声を荒げているところを初めて見たぞ」


 扇で顔を隠しながら、陛下と公爵をみすえる。二人はまさか私に話を聞かれるとは思っていなかったのか、思い切り目を見開いて驚いていた。


 「幽霊でも見ているかのような顔だな。陛下も…………話は廊下に漏れ出ておりますぞ。それにしても先ほどの話は本当なのですか?オリビアから毒が検出されたというのは…………しかもそれは我が国では出来ない物のようですね」

 「そなたは………………ふむ…………まぁよい。そなたにも聞きたい事がある。我々の話を聞いたならかえって好都合かもしれん」

 「陛下!」


 クラレンス公爵はこの話を私に聞かれたくなかったのだな、かなり動揺している……いつものらりくらりしているこの男がここまで動揺するのを初めて見たな。それほど重要な話らしいが…………

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