【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「……この植物が何だと言うのです?」
「うむ………………この植物は希少でな、我が国では生育出来ない。北の一年中寒い地域でしか育たぬもので、数も多くない。」
「?」
「オリビア嬢に盛られていた毒は、この植物から精製されているものだという事がやっと分かった」
私が驚き立ち尽くしていると、クラレンス公爵が詳細を話し始める。
「この植物は”デラフィネ”と言って、ごく稀に香草として流通していますが非常に高価で希少な植物なのです。そしてオリビアが摂取したのは恐らくお茶に混入されて飲まされていたのかと…………お茶に入れるには乾燥させて粉末にするか、エキスを抽出するか…………どちらも作るにはとても時間がかかります。随分時間がかかりましたが、ようやく摂取した者にどういった症状が出るのか分かったのです。」
「……どうなるのだ?」
「粉末状で摂取すると媚薬になり、抽出したエキスを液体に混ぜると…………量によっては劇薬になります。但しごく少量なら神経や精神に影響を与える程度で済みますが、量を間違えると…………発作を起こし、死に至らしめる劇薬です」
「今のところこの植物自体は非常に手に入りにくい故に、そこまで警戒する必要はないだろうが……」