【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「お嬢様、先ほどは失礼な質問をしていまい――」
「いいのよ、マリー。あなたは悪くないわ…………あなたの言いたい事はよく分かっているし、こんな事を何回も続けるわけにはいかないものね……」
そうだ、何度も子供を助け、その度に領地に連れて行くという訳にはいかない。
「だからね、私…………領地に着いたら、この貧困層の人々について何か出来ないかって考えているの。今、私がしている事は一時しのぎに過ぎない……そうじゃなくて、根本的な仕組みを変えなくては、こういう子供たちを助ける事にはならないと思う。その為にはどうすればいいか、まだ領地にも着いていないし具体的な事は何も思いついていないんだけど、私がやらなきゃいけない気がして……」
今まで自分の中でモヤモヤしていた事が一本の線で繋がった気がした。
そうよ、私がやりたいのはそういう事だったんだわ。でも、貴族の箱入り娘が突然何を言っているのかって思われたかしら…………マリーの顔を見る事が出来ない。そんな事を考えていると、突然マリーが両手でガシッと私の両手を包み込み、キラキラとした表情でまくし立てる。
「お嬢様~~~そこまで考えていらしたなんて!マリーは感激ですぅ~~……」