【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 私の話を聞いて、ようやくお父様から解放される。お父様とアングレア伯爵とは古い友人なんですものね。


 「アングレア家の剣の腕は優秀だからな。ところで今日は図書室で勉強の日なのかい?君が望むなら王宮図書館に連れて行ったのに……」

 「ありがとう、ヴィル。ちょっと調べものをしたくて……急に思いついたから、今日は我が家の図書室で調べようかと」

 「調べもの?」


 うーーん…………突然聖女について調べているって言ったら二人ともビックリしちゃうわよね。どうしようかしら……


 「あ、そうそう、王太子妃教育でも習ったんだけど、この国の歴史を調べたくて!調べていると聖女の事とか色々興味深い事があったから止まらなくなっちゃって~」


 変な言い方になってしまったかしら…………私の話にヴィルはポカンとしている。きっと何の事か分からないわよね。でもお父様は明らかに動揺している感じで「聖女?…………何か分かったかい?」と聞き返してきた。

 
 「聖女はこの世界のどこに降臨するかは分からないみたいで、教会のような神聖な場所に現れる場合が多いみたいだけど…………今までに現れたは三国、いずれも聖女は一人で同じ時代に2人現れた事はないみたい。ハミルトン王国にはまだ現れた事はないって書いてあるわ。聖女は皆、国を豊かにする力を有する…………」

 「確か国が窮地に陥ると現れると言われているから、豊かな国には現れないのではないか?実際に我が国には今のところ必要はないし……」

 「………………………………」
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