【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
お父様が聖女の話をしてから、ずっと考え込んでいらっしゃる。どうしたのかしら…………あまりに険しい表情をしていたので心配になって聞いてみた。
「お父様?どうかなさいまして?」
「……うん………………その聖女なんだけど、教会が召喚しようとしている、と言ったら君たちは驚くかい?」
「え?」
「…………いや、もはやあの集団が何をしていても驚きはない。人身売買までやっているくらいだからな。聖女を召喚して、我々にとって代わろうとしているのか?」
私はお父様の言葉よりもヴィルの言葉に驚いてしまった。聖女を人の力で召喚出来る事にも驚いたけど、その聖女の力を使って、王族に代わり教会が国を治めようと?そんな事可能なの?
「昨日、たまたま私と陛下の話を王妃殿下に聞かれて、その流れで王妃殿下とも話をする事になったんだけど…………君達にも共有した方がいいと思うから、私の独断で伝える事にするよ」
「母上と?」
「王太子殿下にとっても重要な話になるかと」
「……………………分かった」
ヴィルは少し思案した表情を見せたけど、すぐに覚悟を決めて頷く。王妃殿下と陛下とお父様がお話しするって、どんな状況だったのかしら…………私はひとまず図書室で話すような話でもなさそうだから、応接間に移動しようと提案した。
ソフィアも一緒に行くと言うので4人で移動し、応接間でお父様の話を聞いたのだった。