【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「やぁ、おはようオリビア。迎えに来たよ」
「ヴィル…………一言いいかしら………………この馬車には乗っていかないわよ」
「?なぜだ?素晴らしい馬車だろう。君を乗せて行くんだ、このくらいでなければ…………」
「…………ええ、素晴らしい馬車だわ、それは認めます。でも、伯爵邸に行って鍛えてもらうだけなのに、こんな馬車に乗って行く必要があって?」
私は負のオーラを纏い、鬼の形相で詰め寄る。恥ずかしい、とても恥ずかしいわ。
どこぞの貴族の結婚式に使うような馬車じゃない……私はヴィルと一緒に行くと言った事を激しく後悔し始めた。
それでも諦めてくれないので「このような馬車で毎回来るなら、一緒に行くのを止める」と言うと、さすがのヴィルも私の本気に押されて渋々諦めてくれた。
良かった~~こんなキラキラした馬車に乗るのはさすがに恥ずかし過ぎて、絶対無理よ。
イザベルだって引くに決まっているわ。