【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部更新中】


 門の前に馬車が停まると、ヴィルが先に出て私の手を取ってエスコートしてくれる。

 こういうところはさすがに王太子殿下ね、所作がスマートで美しい。



 私たちが馬車から下りて来るや否や、伯爵家の方々が揃って出迎えてくれた。その姿に圧倒されてしまう…………


 『ようこそおいでくださいました』


 とてつもなく声が揃っている……皆騎士のような服を纏っているので、騎士団に挨拶されたかのような威圧感というか、全てが揃っていて素晴らしくて感動してしまった。非常にカッコいい。


 「王太子殿下、クラレンス公爵令嬢、はるばる我が伯爵邸まで足を運んでくださり、感謝致します」


 挨拶に来てくださったのは、まさかのアングレア伯爵閣下その人で、私は驚いて固まってしまう。今日はイザベルと気ままに剣術指南でも~という軽い気持ちだったのに閣下まで巻き込んでしまったのかしら。

 伯爵閣下は短い髪を立てていて、サンドベージュの明るい砂っぽい髪色が爽やかさを際立たせている。体格はいかにも凄腕そうだけど朗らかで、とても好感の持てるお方だった。


 お父様と仲が良いというだけで良いイメージしかないのだけど。
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