【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
隣には夫人が佇んでいて………………何もかもがイザベルにそっくり!髪色も同じだし、イザベルは母親似なのね。
夫人は表情があまり動かないので、そんなところもイザベルは母親似だったのねと和やかな気持ちになった。
「アングレア伯爵に夫人まで、わざわざすまないな。今日は世話になる」
「はっ、陛下や公爵閣下からも伺っております」
「父上から?」
伯爵から陛下の名前が出てきてヴィルが驚いている。私はお父様に話しているから伯爵に話がいっているのは分かるんだけど、陛下はお父様から聞いたのかしら?
「はい、陛下は常に殿下の事を気にかけております。今日もくれぐれもよろしくと仰せつかっております」
伯爵はニコニコしながらヴィルに伝えていて、当の本人は照れなのか目が泳いでいた。ふふっ親にとってはいくつになっても子供は子供なのよね。
「良かったわね、ヴィル」
「………………良くはない」
こっそり耳打ちして照れない照れないとからかうと、更に耳まで真っ赤になってしまった。伯爵はそんな私たちを見てニコニコしながら応接間まで案内してくれたのだった。