【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
そう言うと、大きな瞳から大粒の涙がポロポロ溢れてとめどなく流れてくる…………子供の涙は本当に綺麗ね……
「ソフィア、あなたは何歳?」
右手の小さな指を五本広げて教えてくれたのだけど………………5歳?!
どう見ても3歳にしか見えない…………栄養が取れていないものね……きちんと成長出来ていない証だわ。こんなところに置いてはいけないと改めて思ったし、そういう子供たちを一人でも減らさなくては。
「じゃあソフィア、あなたも疲れているでしょうから、今夜はもう休みましょう。明日、朝から私の館に向かいましょうね」
そう言って寝かせようとしたのだけど、ソフィアは痛いはずの左腕も使って必死に私の腕に抱き着いたまま離れない。
うーーーーん、なんて可愛いんだろう…………マリーが気をきかせて「私と寝ましょうか?」と言ってくれたのだけど、私から離れる気配がない。なんだか前世の子供たちを見ているようでたまらなくなった私は、ソフィアが安心して眠れるようになるまで一緒に寝ようと決めた。