【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 侍女たちが話していた通りね。安売りしているお店が沢山あってお客さんも入っているし、買い物客が多いわね…………流通も盛んになっているみたいだし、ここまで顕著に影響が出るものかと驚いてしまう。

 私たち貴族が持つ財を民に還元するような仕組みが出来れば、もっと国は栄えるんじゃないかしら。


 贅を無駄に消費している貴族も沢山いるし……


 「陛下も凄いですが、もとはと言えばオリビア様と殿下が教会の悪事を暴いたから出来た政策です。なので私はオリビア様を尊敬していますし、全力でお守りしたいのです」

 「もう……大げさよ。でもイザベルがそばにいてくれるのは、とても心強いし嬉しいわ。建国祭での祝賀パーティーも一緒に過ごせるのを楽しみにしているの」

 「オリビア様…………私も楽しみです!オリビア様のドレス姿を目に焼き付けます!」

 「あ、ありがとう」


 イザベルは、私の両手を握りながら道のド真ん中で熱弁してくれるのだった。

 普段はクールなのに熱烈な思いをぶつけてくれる時のイザベルは、本当に可愛いのよね。純粋な目に心が温かくなる。

 そんな彼女にはまだ婚約者の存在はいないらしい。イザベルは真っすぐな人だから、政略結婚はする気がないと言っていた。


 伯爵家の後継としてリチャード様もいるから、急ぐ必要はないのかもしれないわね……でも年ごろだし素敵な女性だから、良縁に恵まれてほしいわ。
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