【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「大げさなんだから。ユニコーンは伝説の聖獣なんですって。力強くて、足も速くて……イザベルの修練場でのあなたを思い出したわ」
「ユニコーンは無垢な乙女の誘惑に弱いと書物で読んだ事がある。まさに君に想いを寄せる私というわけだな」
「……………………その情報は知らなかったかな」
ははっと笑うヴィルの横で、恥ずかしさで顔を赤くする私…………そんな意味で買ったわけじゃないんだけどな。自分の事を無垢な乙女っていうのも気恥ずかしいし、誘惑したわけでもない。
ヴィルは、馬車の中で私から贈られたユニコーンの小さなガラス細工を手に乗せ、王宮に着くまでずっと眺めていた。
こんなに喜んでもらえるなんて贈ったかいがあるわね。
そんなやり取りをしている内にいつの間にか馬車は、王宮の前まで来ていたのだった。
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馬車が王宮に着いたのでヴィルにエスコートされながらおりると、すぐにお父様が駆け寄ってきてくれた。