【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「オリビア・クラレンスです。よろしくね、ヴィオーラって呼んでも?」
「は、はい!嬉しいです!」
可愛い~~本当に妖精みたい。男性がチラチラとヴィオーラを見ているのが分かる。
「ヴィルヘルムだ。ニコライには世話になっている、よろしく」
「あ…………ヴィルヘルム王太子殿下、お会い出来て光栄です。どうぞ、よろしくお願いいたします」
これは…………ヴィオーラの視線がヴィルに釘付けね。私の勘が間違っていなければ、恋する女性の瞳をしているわ。
うーん、これはどうするべきなのかしら。なんだか挨拶回りをしているだけで、様々な人間模様が垣間見られるものなのね。ひとまず私は、この場ではヴィオーラの気持ちには気付いていないフリをする事にしたのだった。