【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
ダンスタイムと悪口
そんな事を考えていると、後ろから声をかけられる。
「オリビア様、こちらにいらっしゃったのですね」
「イザベル!これから挨拶に行こうと思っていたのよ」
「オリビア様に先にさせるわけにはいきませんので、こちらから参りました」
さすがイザベルは夜会でもカッコイイわね……素敵。そこへニコライ様がやってきてイザベルと話し始める。
「やぁ、イザベル。今日は一段と美しい装いだね」
「ニコライ卿、世辞など言う必要はありません。このような恰好を私が好まないのを知っていて、皮肉でしょうか?」
「これは相変わらず手厳しいな。私はいつも本当の事だけ伝えているつもりなのに」
ニコライ様は紳士らしく手を取り、イザベルに挨拶をしている。当のイザベルは無表情のまま…………むしろ絶対零度の空気を出しているわ。
何より驚いたのがヴィルをも弄るあのニコライ様が、イザベルに塩対応されているって事…………
こんな事が出来るのはイザベルだけね。でもなんだかニコライ様は楽しそう。
「………………そろそろ手を離してもらっても?いくら殿下の腹心のニコライ卿と言えど、礼を欠く態度をなさるなら身の安全は保障出来かねます」
「相変わらず鍛錬を欠かさないようですね。あいにく私もこう見えて強いのですよ」