【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 足のステップもだけど、やっぱり体が覚えているわね!良かった……


 私たちがターンをすると会場から歓声がわき起こる。王太子殿下と婚約者が踊っているからなのかしら……ダンスがとっても楽しい!
 
 そしてふと周りに目を向けると、ニコライ様とイザベルが踊っていた。


 ニコライ様がダンスに誘ったのね。イザベルには全くダンスする気がなさそうだったから、よく誘えたなと感心していると、一曲目のダンスがあっという間に終了した。

 私はヴィルにカテーシーをして、二曲目のダンスは辞退する事にした。


 なんだか音楽がムーディーな感じで、雰囲気が変わってしまったのよね。楽しく踊れるダンスなら良かったんだけど……


 「飲み物を取ってくるよ」
 
 「ありがとう、喉も渇いたし休憩しましょう。中庭に行って座っているわ」


 ヴィルにそう伝えて中庭に行こうとすると、入口付近の壁際にブランカ嬢とお友達の集まりが目に入る。その中にはお茶会でご一緒だったレジーナ嬢の姿もあり、学園でもおなじみの仲間だった事がうかがえた。

 私が中庭に行く為に近くを通ると、嫌な笑い声が聞こえてくる。

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