【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
なるほど……きっとヴィルは心配して来てくれたのでしょうね。王太子だとバレないようにブラウンの髪のウィッグをかぶってきている。変装までしっかり決め込んでいるとは……
今日はソフィアも連れて行きたかったんだけど、明日にしようかしら。
「分かったわ、じゃあ皆で回りましょう」
という訳で、皆で馬車に乗って行く事になった。ちょっと人数が多くて馬車の中が窮屈だったけど、皆でわいわいと街を回るのは思いの外楽しくて、あっという間に時間が過ぎていく。
前回にイザベルと街に来た時よりも更に賑わっていて、人がすれ違えないくらいの人混みだった。
ソフィアを連れてきたら、はぐれてしまうかしら…………
とあるアンティークの物が売っているお店に立ち寄ると、ヴィルが私に1つのアンティークの置物を買って持ってきた。
「ユニコーンのお返しだ」
「え?でもあれはドレスのお礼だから……」
「あの時早く行ってあげられなかったから、お詫びも兼ねてもらってほしい」