【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 「バタバタしてしまってすまないね、オリビア。君の耳にも聖女が召喚された事はもちろん届いているだろう?」

 「ええ、公爵邸でもその話題でもちきりでしたわ。お父様は聖女様にお会い出来たの?」

 「ああ、召喚されたその日に大司教が嬉々として陛下の御前に連れてきたからね。私もその場にいて、しっかり見てきたよ」

 「どんな方なの?」


 小説では長い黒髪の小柄な少女なのよね。儚くて守ってあげたくなるような…………まさに聖女様といった感じで。


 「多分オリビアと同じくらいの年齢なんじゃないかな~陛下と同じ黒くて真っすぐの長い髪で、元気な少女だったよ」

 「え、げ、元気?本当に?」

 「うん、自分がなぜここにいるのか分からないみたいで、家に帰してほしいと陛下に頼んでいたな」


 それって…………もしかして、別の世界から召喚されたって事?本来卒業記念パーティー後に現れるはずだった聖女様を無理に召喚したから?


 「あんまり帰りたいって言うものだから、ひとまず仮の住まいに王宮に住んでもらう事になったんだ。教会はあまり女性がいないし、王宮なら同じ年ごろの女性もいて世話をしてくれる人も沢山いるからね」

 「では形としては王家が保護するって事になった、という事ですか?」

 「まぁそうなるね。聖女としての力の使い方を学ぶ必要があるから、1日おきに教会に通う事が条件で決まったんだよ。王宮にいる間は殿下が何かと面倒を見る事になっているんだ」
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