【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
ダメね、こういう時は大人しく寝よう。
考えても仕方ない事は寝て忘れるに限る。そう思ってその日は寝て終わらせた。
しかし事態はそんなに単純なものではなく、私の不安が的中するかのようにヴィルは公爵邸にぱったりと来なくなり、聖女様が召喚されてあっという間に1か月半が経った。
建国祭から全く音沙汰がなくなり、私は自分の不安を紛らわす為にほとんどの日々をイザベルの家で過ごしていた。
一人でいても色々考えてしまうし、イザベルといると心が落ち着くのよね。
そしてすっかり伯爵邸でお世話になっていたので、リチャードとも仲良くなっていた。名前を呼び捨てに出来るほどに。
「イザベル、リチャード、見て!すっかり乗りこなせるようになったわ!」
「凄いです、オリビア様!」
「すっかり馬とも阿吽の呼吸になりましたね!これなら遠乗りにも行けますよ」
イザベルが褒めてくれて、リチャードが遠乗りに行けるとまで言ってくれるくらいに私の乗馬の腕は上がっていた。毎日通って練習していたものね、日々の練習って大事。