【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
遠乗りと爆発騒ぎ
イザベルがまずは先頭になって走り始め、私も後に続いて馬を駆って行く――――修練場で乗るような感じではなく、馬と一体になって走っていくのはとても気持ちがいい――――
「風が気持ちいいわ!」
「オリビア様、お上手です!スピードはそのままで走らせてください!」
後ろからリチャードが褒めてくれる。
「分かったわ!」
馬で街道を走り抜け、草原を駆ける――――馬車とは比べものにならないくらい速いわ!
どんどん景色は変わっていき、周りには民家や建物、木々すらも何もなくなって、ひたすら草原を駆けていった先の小高い丘の上には、大きな木が一本だけそびえ立っていた。
イザベルがスピードを緩め始めたので、目的地がそこである事が分かる。
「着いた?」
「はい、ここがリュージュの丘です。ここからだと王都が全て見渡せる絶景スポットとなっているんですよ」
イザベルが教えてくれたので馬から降りて、手綱を太めの木の枝に括りつけると、振り返った先には王都の景色が広がっていた。