【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
まさか爆発物を渡されたって事?!怪我をして血が流れているのでイザベルにお願いして彼を避難させてもらう。
「皆下がって!火が大きくなる前に避難して!」
私が避難を呼びかけている内にまた商品に燃え移ったのかポンッと弾ける音がした。油を使っている商品があったら大惨事だわ。
このままでは黙っていても大火事になってしまう。消火する方法は………………そうだ!
「リチャード!なるべく大きな布はない?!その布に水をかけたいんだけど……」
「探してきます!」
そう言って向かいの店に消えたリチャードは、大きいシーツのような布を持ってきてくれた。いつの間にか街の人々もバケツに沢山水を持ってきてくれている。
「よし、じゃあこの布で燃えている個所を覆うから!その上から一斉に水をかけて!」
皆が返事してくれたので、民とリチャードと私の数人で火元にシーツをバサッとかぶせる――――――火は空気がなくなれば消える――――まだ大きくない内にやらないと!
「今よ!」
皆が一斉にシーツに水をかけてくれた――――すると白い煙がシュウゥゥッと出てくる。皆が鎮火している様子をジッと見守っていた。そこへ「火事はどこですか?!」という女性の声が聞こえる。