【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 聖女と思われる女性がそう言うと、両手を合わせて何かを唱え始めた――――体が内側から光ったかと思うと、その上空に雲が一気に集まる。

 そしてあっという間にサァァァと雨が降り始めた――――――――これが聖女の力。

 豊穣の力というのは天気をも操るのね…………国が豊かになるっていうのも頷ける。一日おきに教会に通って力の使い方を学ぶって言っていたけど、見た限りもう使いこなせている感じがする。


 みるみるうちに小火は鎮火され、煙もあまり上がらなくなり、これでもう大丈夫だという事が分かった。

 あんなに皆でバタバタしたのに、彼女の手にかかれば一瞬で収める事が出来てしまうのね。
 

 民は聖女の力を目の当たりにして恍惚とした表情で彼女を見つめ、建物の軒先に雨宿りしていた私とリチャードは、聖女の力の素晴らしさに呆然と見入っていたのだった。

 
 
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