【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
さすがだなって言って笑っていた時は、そういう理由があったのね。
なんだか変な誤解をして拗れていただなんて、ヴィルには黙っておかないと……
「ふふっ私はイザベルのところに毎日通って、乗馬の技術が上がったわよ」
「後ろから追いかけていてびっくりしたよ。凄い速さで走っていたけど、全然上体がブレないし、頑張ったんだなって……今日はどうしてあの場所に?」
「今日はイザベルとリチャードと遠乗りに来ていたのよ。私の乗馬の技術がとても向上したから、遠乗り出来そうねって話になって」
「………………私がオリビアと一番に遠乗りに行きたかったというのに……」
マズイわ、またいじけだしている。何か話題を変えないと……
「この丘に来たら王都が見渡せるでしょう?その時に突然爆発音がして、煙が立ち上ってきて……馬もあるし急いで駆けつけたのよ」
「それで煤がついているのか…………君のおかげで助かったけど、無茶はしないでくれ」
自身の持っているハンカチで私の顔を拭きながら「何事もなくて良かったが……」とブツブツ言っている。お父様並みに心配性なんだから。
「さあ、そろそろ公爵邸に戻ろう。あまり遅くなると公爵が心配するし、きっと君のその姿を見ただけで大騒ぎしそうだからね」