【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部更新中】
「聖女様!突然王宮を抜け出されては…………オ、オリビアに何を!」
「ヴィルに言っても絶対連れて来てくれないじゃない!だから王宮の馬車を借りて強行突破したまでよ!」
「オリビアにまで迷惑をかけるなど…………」
いけない、ヴィルから黒いオーラが出ている感じがするわ。公爵邸で争われても困るし、ひとまず真莉愛様のお話を聞いてあげなくては。
「まぁまぁ。真莉愛様にも言い分があるみたいだし、庭園でお茶しながらお話しましょう。ヴィルも物騒な事はダメよ」
「やった!」
「…………………………仕方ないな……」
私は2人が了承してくれたのを見てホッとすると、マリーにお茶とお菓子の用意をお願いして、2人を庭園まで案内した。
~・~・~・~
庭園に移動するとすぐにマリーがテーブルにお茶やお菓子を並べてくれる。そこへ皆座ったところでお話が始まった。
「真莉愛様は、普段王宮で過ごされているのでしょう?同じ年ごろの若い女性は沢山いるのでは?」
「…………そうなんですけど………………皆、私が聖女だっていう事で、全然友達になってくれないんです。気軽に真莉愛って呼んでねって言っても誰も呼んでくれないし……さっきオリビア様が初めてですよ!名前で呼んでくれたの…………私、すっごく嬉しくて……」