【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
真莉愛様はここまで話してる段階で、もはや涙目になってしまっていた。
そっか、家族からも引き離されて、友達も誰もいない異世界に突然召喚されたんですもの、そりゃ心細くなるわよね。
この世界では皆敬称は崩さないでしょうから、聖女様って呼ぶのは当たり前なんだけど、このくらいの年齢で親しく呼んでくれる人が全くいないのは寂しいのかもしれない。
本来なら私も聖女様って呼ぶべきだったのだけど、日本の名前が久しぶりで懐かしくて、つい名前で呼んでしまったのよね。
「じゃあマリアって呼ぶわね。私も堅苦しい事は嫌いだから、オリビアでいいのよ」
「……うっ……うう~~オリビアが優しい人で良かった!昨日、小火の時に馬に乗りながらヴィルに塩対応しているのを見た時に、この人なら親しくしてくれるかもって思ったの」
あ、あれを見られていたのね……そうよね、ヴィルと話していたものね。あの時は嫉妬していたなんて二人には言えないわ……
「まったく……まさかオリビアのところに突撃するとは思っていなかった。少し目を離した隙に…………まぁそろそろ力の使い方もちゃんと出来るようになってきているし、そろそろ私が世話係になっているのもいらなくなるだろうな」
「本当?!やった~~自由よ!この人、本当にうるさくていつも口喧嘩になってしまうの」
「それは君が……」
「いっつも、オリビアが~オリビアなら~ってうるさいったら……」
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