【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

聖女マリアとティータイム



 「この前の小火なんだけど、どうしてオリビアはあそこにいたの?」

 「私はたまたまリチャードとイザベルと一緒に、リュージュの丘に遠乗りに行っていたの。そこは王都が一望出来る場所だったから見ていたら、ボンっと爆発があったのを見てしまって……煙はどんどん上がっていくし、すぐに皆で馬で駆けつけて。マリアは小火の連絡が入って駆けつけたのよね?」

 「ううん、そうじゃないんだ。教会の人に今日は街中で力を使って民を喜ばす日だって言われていたの。だから予め街に出ていたから早めに駆けつけられたのよね」

 「そうなの?」


 私がヴィルの方を見ると、ヴィルも頷いた。店主は客から何かを受け取って、それが爆発してあんな事にって言っていたし、まさか……


 「何だか偶然にしては気持ち悪い感じがするわね……」

 「今までもあちこちで力を使ってはいたんだけどね!そういう時は予め予定を組まれていたから用意出来たりするんだけど、昨日は朝に突然予定を伝えられたなぁ」

 「…………………………」


 教会が今回の事を仕組んでいたの?何の為に?聖女へ支持が向くようにかしら…………


 「なんかここの教会、胡散臭くて嫌だな。ここの世界に来たばかりだから、ひとまず言う通りに動いているけど……皆張り付いた笑顔で近寄ってくるんだもん。私、変な事をさせられてるわけじゃないよね?」

 「そんな事はない、とは言い難いな。今回は君の力を民に示す為に仕組まれた可能性が高い。聖女が召喚されたのは教会だ……あの手この手で動いてくるな」
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