【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「………………なんとかしてよ~~王子様でしょ?!」
「何とかしたいのは山々だが、今のところ細心の注意を払うとしか言いようがないな」
「そんな…………本当なら高校生活を満喫しているはずだったのに。可愛い制服も無駄になっちゃったし、もう教会の言う事は聞いてあげないでおこうかな」
あんまりショックだったらしくて、マリアが教会に対して悪態をついている。
そうよね、突然連れて来られて環境も変わってしまって……私はこの世界について多少知っていたから良かったけど、マリアは全然知らない感じだし。
でも悲しむより怒りの方が強いところが彼女の性格を表していて、怒りながらも元気なところが凄いわね。
「今のところは教会の話を聞くフリくらいはしておいた方がいい。教会としては聖女を召喚した立場があるから、君が反抗し始めて我々側に入るような事が起こると、君に何をしてくるか分からない」
「ちょ……ちょっとー……怖い事言わないでよ!」
ヴィルは本当の事を言っているんだろうけど、いきなりそんな事言われたら怖いわよね……
「ごめんね、嫌だろうけど。多分しばらくは大人しいだろうから、大丈夫だと思う。それに私の家にも来ていいし」
マリアを元気づける為に彼女の手を握ってそう言うと「オリビア~~~絶対遊びに来るから!」と言って涙目になっていた。
そろそろ帰ろうと言う話になり、その日はそのままお開きになったのである。