【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 
 公爵家のマナーハウスは裏側が海なので海沿いに建てられているけど、子爵邸は海からは一番離れた領地の入口付近に建てられていた。

 屋敷はこじんまりしていたけど植物に溢れたとても可愛らしい屋敷で、私は違う異世界を連想させる造りだなと感動していた。


 「素敵ね……なんだかアニメで出てきそうなお屋敷だわ」

 「アニメ……ですか?」

 「ああ、異国の絵本みたいな物ね!」

 「そうなのですね……オリビア様は博識ですね」


 …………危なかった。ついつい前世のワードが出てしまうのよね……マリアに聞かれたら、どうしてアニメを知っているのかって思われちゃうから気をつけないと。

 自身の知らない事を知っている私を目を輝かせて博識だと褒めてくれるイザベルに罪悪感を持ちつつ、馬車は子爵邸の前に着いたので静かに止まった。

 
 私とイザベルは馬車から降りると、門番に挨拶をして中に通された。護衛として一緒に来ていたゼフは馬車で待機となると伝えられると、ゼフにはそこにいて、と顔で合図する。

 まぁ女子会みたいなものだから中には入れてもらえないわよね。ゼフならこっそり屋敷に潜入してどこからか見守ってくれそうだし。


 「ようこそいらっしゃいました!オリビア様、イザベル様。王都からは遠いのでお疲れではないですか?」

 「ごきげんよう、レジーナ様。ご招待してくださり、ありがとうございます。疲れなどは全くありませんので、お気遣いなく……本日はよろしくお願い致しますわ」

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