【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「…………分かった。ひとまず状況を整理する必要があるから、私が世話をしましょう。ここ王宮には若い侍女も沢山いる。少しは気も和らぐでしょうから」
私がそう提案すると、その場にいた皆が了承してくれたのだった。
これでオリビアのところに行けるのが、いつになるか分からなくなったな…………心の中で溜息をつく。
せっかく彼女の気持ちが、少しは私の方に向いてきたかなと思っていたのに。
聖女は還してほしいと言っていたが、恐らくそれは無理だろう……召喚するだけでも多大な時間がかかっているのだから。それをどうやって納得してもらうか、ゆくゆく考えていかねばならない。
今は少しでも早く聖女にはここでの生活に慣れてもらって、自立出来るように支援するしかない。
~・~・~・~
そして世話をする事20日間ほど経過した後――――――
「ねぇー……力の使い方を学びに行ってるだけなのに、なんであちこち回らなきゃならないの?」
「…………………………それが聖女の務めだからだ」
「務め?」
「仕事という事だ」
「はぁ…………私まだ高校生なのに……」