【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
好き…………好き、か。いい響きだな。私はオリビアの気持ちを勝手にいい方向に解釈して、納得する事にしたのだった。
「もう、何ニヤニヤしてるのよ!」
「…………いいから手を動かしてください!聖女様は教会へ!」
執務室にはニコライの怒声が響き渡る。最近はこのパターンが多いな……いつになったら世話係から解放されるのやら。そんな事を考えながら、机の上にあるオリビアからもらった置物を眺め、ユニコーンを撫でる。
これを渡してくれたオリビアを思い出すと、自然とやる気が出てきた。私の原動力はいつだって彼女だ。
聖女が出て行ったのを確認し、ニコライがまた怒り出す前に仕事に集中し始めたのだった。
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その日は街中で奉仕活動をしてくれと教会からの指示で、聖女と私と護衛達は王都の街中を回っていた。
ちょうど中心部を回っていた時に爆発騒ぎが起こる。
あまりにもタイミングが良すぎるので、教会の仕業なのだろうなとは思ったが、とにかく市街地を火の海にするわけにはいかないので、急いで聖女と向かった――――
しかしそこにはオリビアとリチャードがいて、民と協力して火消しをしていたのだった。