【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
そして私は聖女のお世話係を卒業し、これで仕事にも専念出来ると、オリビアに会いに行く為に日々仕事を早めに終わらせ、ようやく数日後には公爵邸に行けるだろうと思った矢先の出来事だった。
陛下に大事な書類を渡しに行こうと王宮を歩いていると、そこに聖女が突然やってきて、私に教会の苦情を訴えてきたのだ。
「ちょっとヴィル!せっかく暇が出来たからオリビアのところに行きたいのに、教会の人が誰もいないんだけど~」
「…………相変わらずうるさいな。誰もいないなんて事はない。誰かしらいるはずだ、君がしっかり探していないだけでは?」
これ以上厄介事は御免だと言うのに…………
「そんな事ないわよ!大司教様も誰もいないの。さすがに誰にも告げずに公爵邸は行けないのよね……」
「大司教も?」
私と聖女が廊下で話していると、父上の執務室から出てきたクラレンス公爵がこちらに向かって歩いてくる。
「おや、お二人で何のお話ですか?公爵邸と聞こえたのですが」
「あ、こんにちは!今日オリビアのところに伺いたいのですけど……大丈夫ですか?」
?…………なんでクラレンス公爵にはこんなに畏まった態度なんだ?
「いつもオリビアと仲良くしてくださって、ありがとうございます。ですが今日はオリビアはボゾン子爵家でのお茶会に呼ばれているんですよ~」
「え、そうなんですね!そっかー……残念」
「ボゾン子爵家に?オリビアと何の繋がりが?」