【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
突然のボゾン子爵家の名前に驚いて聞いてしまった。ボゾン子爵家という事はレジーナ嬢か……母上のお茶会によく出ていた女性だな。
レジーナ嬢とは幼い頃、よく遊んだ記憶がある。
子爵家が母上のお気に入りだったからよく王宮に来ていて遊ぶ機会が多かったのだが、母上に嫌われている自分があの人のお気に入りの女の子と遊ぶ事に違和感を覚えて、徐々に遊ばなくなったのだった。
「主催はブランカ嬢のようで、建国祭の祝賀パーティーであのような騒ぎを起こした事を謝罪したい、という内容だったはずです。私も正直気が進まなかったのですが、イザベル嬢も一緒だと言うので」
「…………………………」
あの時の事か。確かにあれは陛下も来ていて大きな騒ぎにはなったが、あれは私の対応も良くなかったのに、オリビアだけが矢面に立たなければならない事に後悔の念が先立つ。
「そうだ!公爵様、オリビアに言伝をお願いしたいのです。以前私が力を使ってあげた貴族を調べてあげると言っていたのですけど、日記を見たら今話していたボゾン子爵家にも行っていたんですよ」
「聖女様の力を領地で使ってもらった諸侯、という事ですよね?」
「そうです、領地だけじゃなくてお屋敷でも力を使ったんです。とても植物が沢山あるお屋敷で素晴らしくて……力の使いがいがありました。なんと地下室にもあるんですよ!」
聖女はその時の事を嬉々として話していたのを話半分に聞いていたら、地下室という言葉に反応してしまう。地下で育てられる植物など存在するのか?私は不思議に思って公爵と顔を見合わせた。