【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「地下室……それはあなたの力を使ったら喜ばれたでしょう。そこではどんな植物が育てられていたのですか?」
「確か鮮やかな青色の花で……とっても綺麗なお花です!その花ばかり壁一面に栽培していてちょっと怖かったんですけど、この苗で商売をするんだと言っていたので、沢山増殖してあげたんです!泣いて喜んでいました~でも地下室はすっごく寒いのであまり長居が出来なかったんですけど」
おそらく私と公爵の考えは一致しただろう。これは嫌な予感しかしない。
そこへゼフからの伝書鳩が飛んでくる――――嫌な予感は確信へと変わっていった。手紙にはオリビアとイザベル嬢が子爵家の中で失踪と書かれている……手紙の内容を見た公爵がすぐさま動いた。
「陛下に知らせて来ます!そして私もボゾン子爵家に向かいます!」
「頼む、私はニコライに伝えた後向かう!」
「ちょ、ちょっとどういう事?!」
事情を飲み込めていない聖女に話している余裕はない――――――もし私の考えが正しければ、オリビア達は――――
「君は公爵の馬で来てくれ。オリビア達の危機だ」
端的にそう伝えると執務室に走り、ニコライに事態を伝えてリチャードにも伝えるように頼んだ。
まさかあの家でデラフィネの花が栽培されていたとは…………そして沢山増殖されてしまったという事は………………まずい、非常にまずい。