【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
地下室での目覚め
ぴちゃんっと顔に何かが落ちてくる――――――その滴が頬を伝って唇に到達し、その刺激で目が覚めてきた。
ここは…………真っ暗だわ。
私は確か、レジーナ嬢と屋敷の周りの植物について話していて…………庭園は屋敷の裏側だからと案内されて、イザベルと一緒にテーブルに案内された。
まだそこには私達以外は誰もいなかった。
招待状には誰が来るというのは書いていなかったけど、ブランカ嬢はいるはずなのに…………何かおかしいと思いながらも、出されたお茶を飲みながら待とうとしたはず。
それから………………それからの記憶がない。
恐らくお茶に何か入っていたのね。それでここまで運ばれてきてしまった、と推察した。
せっかくこの小説の世界でのバッドエンドを回避する為に一生懸命生きてきたのに……やっぱりバッドエンドを迎える結末だったというの?
私はやりきれない気持ちになりつつも、まずは自分がどういう状況なのか、ここはどんな場所なのかを探ってみようと考え直した。
ひとまず口に猿ぐつわはされていない。腕は……後ろに縄で拘束されているわね。足には何もされていない。そして体もどこも痛くないわ…………眠らされてここに連れて来られて放置されているって感じかしら。
そして少し暗闇に目が慣れてきたので、体を起こして周りを見てみる――――目は慣れてきたけどハッキリは見えないわね。
何か壁に青白いものが少し光っているような…………