【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「お二人ともお目覚めでしたのね。ちょうど良かったですわ。これからあなた達を使って試したい事があったので」
私たちを使って試す?人を物のように言いながら歪んだ笑みを浮かべるレジーナ嬢に、背筋に寒気が走る。この人達はどこか狂っている感じがする。
「レジーナ様…………どうしてあなたがこのような事をなさるのです?王妃殿下のお気に入りの令嬢かと思っておりましたのに……」
「…………そう、私は王妃殿下のお気に入り。あの馬鹿な女のお気に入りになりたくてなったわけじゃないけど、それなりに利用価値はありましたわね。王太子殿下のお姿を拝見するには学園か王宮に行かなくてはお目にかかれませんでしたから。一生懸命気に入られる為に頑張ったの」
「レジーナ嬢、あなたの目的って…………」
歪んだ笑みを浮かべたレジーナは、一歩一歩ゆっくりとこちらに近づき、私の頭部の髪の毛を鷲掴みにして顔を上に向かせ、その歪んだ笑みを私に見せつけるように近づけてきた。
キャンドルスタンドの火を顔に近づけられ、彼女の恍惚とした表情がより一層はっきりと浮かび上がり、恐怖を際立たせる。
「ずーっと、あなたが邪魔で仕方なかった。私から王子様を……全てを奪った盗人に裁きを与える時がきたわ」