【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
まさか我が領地で起こっていた人身売買は…………
「ほっほっようやく気付いたか?先日捕まったのは司祭と司教だったが、元々貴様の領地で人身売買を行っていたのは我々が主導だったのだ。だがあまり表立ってやっていると捕まる可能性もあった為、教会に斡旋して報酬の一部をもらい受ける形にしたのだよ。私達の領地から様々なものを奪っていったのだ、これくらいの報いは受けるべきだな。ほっほっ」
「うふふっ今まで何も知らずに生きていたなんて、間抜けね。何もかも手に入れようだなんて、強欲すぎるんじゃないかしら」
「………………だからって子供たちを物のように扱うなんて!」
「正義の人間ぶらないで…………あなた達がそうやって奪っていったおかげで、我が領地はどんどん貧乏になり、お母様は満足な治療を受けられずに亡くなっていった。命、命、命…………お綺麗な戯言はうんざり。財がなければ貧乏人は死ぬしかないのよ!でもね…………」
レジーナが指の長さ程度の小さな小瓶を私に見せてきて、問いかける。
「これが何か分かる?」
その小さな小瓶には透明な液体が入っていて、私にはそれが何なのか全く分からなかった。でも彼女の不気味な笑みを見る限り、嫌な予感を感じさせる液体であるのは間違いないと考え、私にとって因縁のあるあのエキスではないかと思いいたる。
「デラフィネの液体……?」
「ふふふっよく分かっているじゃない。そうよ、お母様が残してくれた唯一の功績よ!お母様は死ぬ間際まで、私たちに何か残せないかと懸命にこの花を研究していたの。
偶然効能が分かった時は家族皆歓喜したわ…………私は、これで公爵家を皆殺せると思うと嬉しくて……私の喜ぶ姿を見て、お母様は安心して眠りについて逝った。あの人の願いは違うものだったのかもしれないけど、私は…………私達から全てを奪っていったあんた達が邪魔で邪魔で邪魔で…………」