【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

巧妙に隠されていた真実


 
 「全てを奪ったって…………その中にヴィルも入っているのね……」
 

 私とヴィルが婚約したのは8歳の時。その前の事は正直分からない……お父様が婚約をする為に動いたとは聞いているけど。

 すると突然レジーナは床の砂を掴み、私の顔めがけて投げかけてきた。


 「…………っ」


 いくつかの小石が顔にぶつかり、鈍い痛みが走る――――


 「気安く殿下を愛称で呼ぶな!」

 「レジーナ!貴様、オリビア様に向かって…………」

 「…………イザベル!」


 私はイザベルに向かって首を振った。ここで刺激してもいい事はないわ。

 
 「本当に偽善者ね………………あなたより前に出会って、殿下の遊び相手をしていたのは私よ。王妃殿下が植物を愛でるのが好きだからって、植物に精通し薬草等で儲けていた私たち家族はよく王宮に呼ばれていたし、その度に殿下と遊んでいたわ。
 王妃殿下も将来はヴィルヘルムといい仲になるといいな、と仰ってくださって………………殿下もとても優しかったし、そうなる事を疑わなかった。
 幼い頃は分からなかったわ、なぜ私が王宮に行く事が出来て、それなのに何故我が家は貧乏になっていくのか。そして何故殿下があなたと婚約して、私と遊んでくれなくなったのか…………お母様が亡くなった時に全て繋がったの、私がこんなに搾取されるのは、あなた達親子がいるせいだって」
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