【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「はっ!単なる女の嫉妬ではないか。見苦しいぞレジーナ」
イザベルが火に油を注ぐような事を言ってしまう。やはり激昂したレジーナはイザベルに向かって叫び出した。
「うるさい!!慕っていた人も家族も財も全部奪われた私の気持ちなどお前たちには分からない!この女を殺す為にゆっくりと時間をかけて王妃殿下に取り入り、周りの貴族令嬢と繋がり、ブランカを唆して、男友達にも手伝ってもらってじわじわとこの女を孤立させていったのよ」
「まさか、私に言い寄ってきた令息たちって…………」
「うふふっ私と関係を持った令息たちよ。彼らに”あなたに気があるみたいだから、声をかけてあげたら喜ぶんじゃないかしら”って言ってあげたら喜んで飛んでいったわ。公爵令嬢とお近づきになれるんですもの、そりゃ嬉しいわよね」
私は足元が冷えていくのを感じた。この人はそんなに前から私を消したくて動いていたというの………………
「それでもしぶとく殿下に粘着しているし、殿下は迷惑していたのに離れようとしないから……私が彼を解放させてあげる為のお手伝いをしてあげようと思って、徐々に徐々に王妃殿下のお茶会でデラフィネを入れていったのに、あと一息というところで………………あなたは助かってしまった」
苦々しい顔をしながら吐き捨てるように言い放つ――――私がずっと感じていた違和感。どう頑張っても私たち公爵家が排除されるように進んでいる気がする、というのはあながち間違いではなかったのかもしれない。
「ひと思いに殺してあげようと思って、あなたが領地から帰ってきたから王妃殿下のお茶会であなたのお茶にだけデラフィネを入れたのだけど、何も起こらなかった。口をつけていたのにカップを見ても減っていないし、飲まなかったと分かって、この劇薬の事がバレていると分かったわ…………爆発騒ぎも自分で解決するし、どこまでも悪運の強い女」