【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 「あの爆発騒ぎの爆薬は、あなた達が作ったものなのね?」

 「…………あんなのを作るのは朝飯前よ。せっかく協力してあげたのにあなたに良いところを持っていかれるなんて、教会もおちたものよね」


 「こら、レジーナ!聖ジェノヴァ教会の事をそのように言ってはいけない。大司教は素晴らしいお方なのだ……あのお方はついに聖女様を召喚する事に成功したのだぞ!神は我々の願いを聞き入れてくださった!聖女様が力を貸してくださったおかげで、この液体を沢山作る事が出来たからなぁ。ほっほっ」

 
 なんて事を……あの爆薬のせいで罪もない民が大怪我を負ったというのに。この人達は自分達の事ばかりで、それによって巻き添えを食う人達の事はどうでもいいの?

 レジーナと子爵を交互に見やると、2人とも私利私欲にまみれた顔で笑っている。
 

 恐怖に固まる私の顔を嬉しそうに見ながら、レジーナが自身の持っているキャンドルスタンドで周りを照らし出した――――――薄暗かった周りの光景が良く見えるようになると、私は自分がどこにいたのか、ようやく理解する事になる。
 
 
 
 「見なさい、聖女様が増やしてくれたデラフィネを……」

 

 この地下室には壁一面にびっしりとデラフィネが生育されていたのだった。

 壁には何段もの木の棚があり、デラフィネの苗ポットが綺麗に整列されて置かれていて、聖女の力によって増殖したいくつもの枝葉が絡み合いながら沢山の花をつけていた……

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