【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 私はこの光景を見て、背筋が凍るような感覚を覚えてゾッとしてしまう――――――


 それと同時にマリアの事を思い浮かべた。こんな事に加担したくはなかったでしょうに。彼女がこの事実を知った時にどう思うかを考えると、とても胸が痛んだのだった。

 そんな私の苦しそうな顔をレジーナは恍惚とした表情で眺めながら、嬉しそうに語り始めた。
 
 
 「エキスはね、この花からしか取れないの。この花は本当に寒い地域の花だから、ここでも育てるのは大変で……でも聖女様の力で一発よ。凄いわよね、ふふっ」

 「…………それを大量に作ってどうするつもりだったの?私達に飲ませて終わりってわけではないでしょう……」
 
 
 
 「それについてはあなたが知る必要などないのですよ、オリビア様」


 地下室の扉をギィィッと開けながら入ってきたのは、長くて美しい髪を後ろでゆったりと束ねた美青年だった。


 
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