【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部更新中】
なんて嬉しそうに語るのかしら……本当にそんな事が出来ると思っているなら相当狂っているわね。
いえ、出来る出来ないではなく、そういう国を創りたいんだ。ここまで思考が飛んでしまっては、これ以上の交渉は無意味だわ…………仕方ない、時間稼ぎは十分出来た。
私はイザベルからもらっていたナイフで手を拘束している縄が切れているのを確認すると、そっとイザベルに後ろ手でナイフを返した。
そしてナイフを受け取った瞬間、イザベルがボゾン子爵に向かって素早く動いた――――――私もそれを合図にレジーナを裸締めにする――――
イザベルはボゾン子爵の首元にナイフを突きつけて動きを止め、レジーナも身動きが取れなくなる。
「っぐ…………こんなモノを隠し持っていたとはっ!」
「子爵……首を切られたらどうなるか、あなたでも分かりますよね?私はアングレア家の人間、油断するべきではなかった」
「…………おのれっ……」
イザベルが子爵の動きを完全に封じてくれたので、こちらとしてもやりやすくなったわ。レジーナは私が首に腕をまわして裸絞めで固定しているので、うまく声を出せずにいる。
「…………っぐぁ……っ」
「護身術を習っておいて良かったわね……っこのまま動かないでっ」