【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
私はレジーナに回していた腕の力を強めようとした時、大司教が驚くべき事を言い始めたのだった。
「いいですね、そのまま2人とも捕まっていてください。あなた達ごと、コレを使って火を点けてしまいましょう。デラフィネのエキスだけはいただかなくては……」
「何を………………大司教……お止めくだされ…………」
裏切られた事を受け入れられずにいる子爵は、力のない声で懇願するだけだった。信じられない…………一緒に計画してきたはずなのに。
「な、何を言ってるの……仲間なんじゃないの?」
「仲間?何を言っているのです……ふふっあなたの言う仲間というのがどういうものかは分かりませんが、少なくとも私の中で仲間などと呼ばれるものではありません。卑しい身分の汚らわしいこの者達が仲間だなんて、なんと恐ろしい………………どの道、上の階には私の教会の者達が配備されているので、ここから出た瞬間に皆消す予定でした。この世界の為に仲良く消えてください」
美しい顔からなんて冷酷な言葉を吐く人だろうか。この人の中に温かさは全く感じない――――――初めてこんなに話が通じない人間に出会った気がする。
「こんなところで発火騒ぎを起こしたら、あなたの大切なデラフィネまで焼失してしまうわよ?!」
「それは心配には及びません。1つでも苗があれば我々には聖女様がいらっしゃいます」
こんな事にあの子を利用しようとするなんて、許せない…………どうすれば――――――