【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
私が叫ぶと、ゼフは大司教の持っているボトルを奪い、私に投げてくれた…………これで全て終わらせる事が出来る。
「あなた方には申し訳ないけど、こんなモノがある限り、皆が安心して暮らせる世界はやって来ない……私の独断でこうさせてもらいます」
私はボトルの蓋を開け、デラフィネの花全体に満遍なくかけると、子爵の手からロウソクを頂戴した。
「な、何を…………まさか………………」
「ここに1つでも苗が残っていれば、あなた達はあの子を……マリアを利用するのでしょう。ここのデラフィネは全て消すわ」
イザベルの顔を見ると、私に同意するかのように頷いてくれたので、私は彼女に微笑みながらデラフィネの花にロウソクの火を向ける――――
「や、やめろぉぉぉぉーー!!」
子爵の叫び声と共にロウソクの火が花達に燃え移り、一気に広がった。
ごめんね――――植物に罪はないのに――――――壁一面の花は炎に包まれ、ちょっとやそっとじゃ消えそうにないくらい、囂々と燃えさかっている。
「…………ああぁ……っ」
大司教は膝から頽れ、ひたすら燃えているデラフィネを眺めているしか出来ない様子で、子爵もレジーナも同じだった。
でもこのままここにいては煙で身動きが取れなくなるわ。早く地上に出なくては……!