【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「………………とにかく今はここを出よう」
ヴィルがそう言うと、私やイザベルに階段を先に上るよう指示してきたので、ふたりで階段を駆け上った。
ようやく地上に出た先は物置の一室で、ここの床から地下室に通じていたのかと驚いたとともに、周りにはゼフが拘束したと思われる聖職者達が何人も気を失っている。
大司教が上に教会の者を配置していると言っていた……全て倒して拘束してきてくれたのね。さすがゼフ。
「オリビア様…………お体は大丈夫ですか?レジーナのヤツに砂利をかけられたりしていましたけど…………」
「大丈夫よ、イザベル。少し小石がぶつかったところが痛むけど、それくらいで済んだんだもの」
私たちが話していると、下からバタバタと駆け上る音が聞こえてくる――――先頭で出てきたのはヴィルで、続いて王宮騎士の方々が大司教と子爵、レジーナも担いで地下室から出てきたのだった。
「皆、無事か?!」
ヴィルが声をかけて安否を確認し、全ての者が出てきた事を確認すると、すぐさま子爵邸入口付近まで避難するべく走った。
屋敷から外に出ると、お父様とマリアも待っていて、皆で抱き合って喜び合ったのだった。
「オリビア!良かった……っ!」
「お父様、マリアも!ごめんなさい、心配ばかりかけて……」
「いいんだ、無事なら……何でも…………っ」