【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
プロポーズと事件のその後
その様子をひとしきり見てホッとしたのか、突然膝の力が抜けてトスンッと尻もちをついてしまう。
「…………あら?」
「オリビア……大丈夫か?」
ヴィルが突然頽れた私を心配して、しゃがみ込みながら顔を覗き込んでくるので大丈夫、と言いたいところなんだけど…………
「………………あんまり大丈夫じゃないみたい。足に力が入らなくて……」
こんな事は初めてで苦笑いするしかないわね。極度の緊張から解放されたから気が抜けちゃったのかしら……そんな私をヴィルがひょいと横抱きにして持ち上げた。
「ちょ、ちょっとヴィル!」
「少し我慢してくれ。公爵、先にオリビアを送らせてもらう」
「え?あ………………分かりました」
お父様は色々思うところはあったのだろうけど、状況も状況なだけに苦笑いしながら了承している。
私は皆に見られている恥ずかしさで顔を上げられないでいると、用意されていた馬車にヴィルと乗り込み、皆より先に王都へと帰る事になったのだった。