【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「……年を取っても?」
「ああ」
「よぼよぼになったら、きっと迷惑かけるわよ」
「それもまたいいじゃないか」
「………………じゃあ遠慮なく迷惑かけさせてもらいます」
「ははっ楽しみにしてるよ」
年を取った私との生活を楽しみと言ってくれる、目の前のこの人を、結婚そのものをもう一度信じてみるのも悪くないかもしれない。
そう思えた私は、ロマンティックとは言い難いけど、私にとっては最高のプロポーズをしてくれた彼との結婚を決意する事になったのだった。
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あの事件の後は、色々な事が目まぐるしく変わっていった。
まずは大司教…………彼は人身売買や献金の横領などに加えて謀反を企て、私たちを殺害しようとした事も明るみになり、流刑と生涯離島で監禁が決まった。しかし看守の目を盗んだ隙に首を吊って自ら命を絶ってしまったのだった。
捕まった教会の者達も皆幹部の者ばかりで、ほとんどが大司教と同じく流刑が決まったのだけど、中には大司教の訃報を聞いて半分くらいは後を追うように自ら命を絶った。