【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 ヴィルがいじけたように言ってくるので、突然の言葉に変な声が出てしまった。プロムは卒業記念パーティーというもので、卒業生は皆出席する事になっている。


 「私は学園の者ではないし、ましてや年齢も違うから出席しないものとばかり…………」

 「私のパートナーとして出てほしい」
 

 こういう時にキリッとした王子様風に言ってくるのが本当に…………好きな人にこんな風に言われたら、私に断るなんて出来るわけないじゃない。


 「…………はい」


 私の返事をもらったヴィルは、またドレスを贈らせてほしいとだけ笑顔で告げて、颯爽と去っていたのだった。

 仕方ない人ね…………でも彼にとって晴れの日に一緒に出席出来るのだもの、とても楽しみだわ。




 ――――プロム当日――――



 「…………マリー、変じゃない?大丈夫?」

 「変なもんですか!お嬢様が変なんて事は天地がひっくり返ってもあり得ません!きっと殿下もメロメロですよ~」

 「メロメロって……」

 「オリビア様綺麗!」

 「ありがとう、ソフィア!」

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