【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
私は、まだ一度も彼に自分の気持ちを告げていない。
だからこの言葉を言うのは、私の中ではとても勇気がいる事だった。
「……オリビア」
「何?」
「こっち向いて」
「………………」
恥ずかしくて顔を反対に向けていたのに……お願いされたので、渋々ヴィルの方を見ると、切羽詰まった顔をしている彼の顔が目の前にあった。
「…………もう1回聞きたい」
「……………………」
「お願いだ」
「……………………もう……とっくに惚れ直しているわよ」
私が言い終わるか言い終わらないか分からないくらいのタイミングで、彼の顔が近づいてきてキスの雨を降らせてきた。
何度も唇を啄ばんでくるので「……口紅がっ……っ」って抵抗をしても「黙って」と塞がれてしまう。