【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
これは予想以上に効いたようで、後日殿下からオリビア用の護衛を付けてくれ、と頼んできたのだ。それも自身を陰から守る凄腕の護衛騎士を派遣してきたという……そこまでしてくれるというのなら、娘との婚約を多少許してやっても良いだろう。
本当は娘から領地への打診があった時に殿下との婚約破棄についても提案されていて、私はその方がいいだろうと思っていた。
しかし、オリビアの見舞いに来た時の殿下の様子が引っかかっていた私は、婚約破棄については私が一旦預かる形で保留にしたのだ。破棄にするのはいつでも出来る。今となってはそれが正解だったのかもしれないと思い始めている。
娘に派遣された護衛のゼフを娘に紹介し、共に領地に行ってもらう事になったのは私にとっても有難い事でもある。
領地までの道のりも彼の護衛があれば、少しは安心出来る。殿下との関係がこの先どうなるかは分からないが…………
私が真に願うのはオリビアの幸せのみ――――どうか、ジョセフィーヌ…………私たちの愛し子を見守っていておくれ。