【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部更新中】
「今の話は本当なの?イザベル」
「はい、私は操船術を持っておりますので、オリビア様が乗る船ならば私が操舵手をした方が安全かと判断いたしました。先ほどまでそれをこちらの男性にお話していたところなのです」
あー……それは船長が激高するのも分からなくもないわね。
王族を乗せる船を貴族のご令嬢が……だなんて、誰がどう聞いてもあり得ない話だもの。
イザベルは当然の事のようにキリリとした表情で話しているけれど、現場の者が許可を出すわけはないでしょうし。
ちょっとこの男性に同情してしまう……でもきっとイザベルの事だから、私の事を考えてくれたからこその行動でしょうし、ひとまずここは説得しなければ。
「操舵手の話は一旦おいといて、どうしてここにイザベルがいるの?」
「兄から今日オリビア様がドルレアン国へと出港なさるというお話を伺い、居ても立っても居られずに来てしまいました。オリビア様をお守りするのはこのイザベルの役目ですから」
そう言いながら、相変わらず美しく凛々しい表情をこちらに向けてくるイザベル。
彼女はいつも真っすぐなのよね。
きっと本心から言ってくれているのでしょうけれど、私としてはお友達を護衛にするつもりはなかった。
「イザベル、私たちは友達なのだから、護衛のような役割をあなたにさせる事は出来ないわ」
「オリビア様、私がしたくてしてる事なのです!ボゾン子爵邸であなた様をお守り出来なかった不甲斐ない私ではダメでしょうか……」
「うっ…………」
私は思わず言葉に詰まってしまう。
ズルいわ……そんな子犬みたいな目を向けられたら、ダメとは言えないじゃない!
いつでも私の事を考えてくれるイザベルのお願いを無下にする事など私に出来るはずもなく、了承するしかなかったのだった。